目黒の自然教育園/「チェコ絵本とアニメーションの世界」展

lithos2007-04-07

目黒区美術館で開催されている「チェコ絵本とアニメーションの世界」展が日曜で終わりなので、見に行く。ついでに、以前から気になっていた庭園美術館の裏の広い緑地に行ってみることに。これは国立科学博物館付属の「自然教育園」となっている。かなり広い。戦前は宮内庁の御料地、その前は陸・海軍の火薬庫、その前は高松藩主の下屋敷だったらしい。今は全体が天然記念物扱いになっているらしい。歩けるところは限られているが、人工的に造られた庭園でなく、長年自然に出来上がってきた地形と植生がそのまま保存されていて、雰囲気がある。松や欅の見事な巨木が沢山ある。Google Earthで見ると、山手線内では全体が最もこんもりと緑が深いことがわかる。実際、池や湿地、歩道の部分以外はほとんど木々で覆われているのだ。「教育」といっても、定期的に観察会や勉強会などをしていたり、入り口に園内の野鳥や植物を紹介する展示場があったり、生えている草や木に細かく名札がついていること以外は、特段、教育的に造られているというわけでもない。桜もまだ半分くらい残っていて、なかなか気持ちよかった。
目黒区美術館の「チェコ絵本とアニメーションの世界」は驚くほど混んでいた。ので、あまりゆっくり見られなかったし、少々疲れた。ヨーゼフ・チャペックの挿絵を見てキャーキャー騒ぐ女子学生のグループというのは.........世界でも類を見ない現象なのではないか。グッズ・ショップにはヨーゼフ・チャペック缶とか、バッグとか、この人のデザインは大人気なのだ。
それにしても、会場の男女比が1対9くらいだった。会場でシュヴァンクマイエルなどのチェコ・アニメーションを長く紹介してきたKさんと数年ぶりにお会いした。「オテサーネク」の公開で、シュヴァンクマイエル夫妻が来日したとき以来だ。静かな夫妻だったが、エヴァさんがシュヴァンクマイエルに「そういう商業主義的なことを言ってはいけないわよ」と、静かにたしなめる(?)のが印象的だった。残念ながらご高齢で一昨年にお亡くなりになったが。
線画の挿絵の原画などは、印刷されることを前提にかかれたものなので、オリジナルだからといって特に面白いものでもないなと思ったが、クヴィエタ・パツォウスカーの絵と特装本が面白かった。日本でも数多く絵本が出ているが、この人は造本に凝る人なので、おそらく重版しにくいのだろう。ほとんどが長期品切れになっている。
帰りに新宿で降りて、約10年ぶりにアフリカ料理屋「ローズ・ド・サハラ」に行った。カンガルー、ワニ、ダチョウの肉料理を頼んだが、珍しく娘は食がすすんでいた。それにしても、昔はこんなに高かったか? というような値段になっていたが。