秩父散歩

毎年この季節になると、気温とともに冬の間緊張していた筋肉が緩むのか、腰痛に悩まされる。今年の冬は調子良かったのだが、先週、少しピリっとやってしまい、いまいち動きにくい。が、折角の連休、じっとしているのも何なので、土曜にテーピングして秩父に行ってみた。
遅めに家を出たので、西武秩父に着いたのは1時半くらいだったが、秩父鉄道に乗って、長瀞に行くことに。そこそこいい天気だったはずが、長瀞駅に着いたころには空は真っ黒、風雨も激しく、とても川に出るような天候ではなかったので、仕方なく土産物屋などを覗く。仕方なくといっても、実は土産物屋にも興味があった。秩父は様々な鉱物の産地で、化石なども採れるので、飾り石などを売る店が多い。15年ほど前に訪れた際、いろんな石を売っているのを目にしていた。
思った通り石は多かったが、やはりほとんどが輸入の瑪瑙やジャスパーで、国産の石は少ない。津軽の銀花石や佐渡の赤玉などを売っている店もあったが、高くて手がでなかった。
雨も上がって河原に出たが、長瀞の景観は面白い。緑がかった流紋岩のような岩畳は天然記念物だ。数年前、大きな岩の崩落があって、まき込まれた少年が両足切断という災難に遭ったが、ネットで調べてみると、元々バレーボールの選手だった少年は、事故後も義足でスポーツを続けており、パラリンピックにも出場したようだ。

帰りは秩父駅で降り、秩父神社に行ってみた。現在の本殿は徳川家康が寄進したらしい。左甚五郎の彫り物がぐるりと取り巻いている。東照宮にも似たポップな印象の彫刻群には、様々な物語の場面が彫られている。中にヤギの背中に甲羅がついたような奇妙な動物なども彫られていて、これが先日新聞で見た、古い玄武のモチーフに似ていた。秩父神社北極星、北斗信仰の妙見信仰と関わりが深いようなので、玄武なのかなと興味がわき、売店で彫刻の解説/案内などはないのかと尋ねると、そういうものは無いという。お守りやら干支の土鈴など、ずらずらと並べて売っているんだから、せめて歴史ある本殿の彫刻の解説くらい作ればいいのに。

神社を出て、表参道を通って、西武秩父駅まで歩いたが、この参道の商店街がなかなか面白かった。文化遺産といってもいいような昭和初期の建物もいくつかある。中でもタバコ屋の建築は雰囲気があった。


左がタバコ屋 右はごく普通の大衆食堂のようだが、何故「パリー」?。