再び新銀行東京

毎日新聞の記事によると、新銀行東京のマスタープランの作成時に、当初は開業3年後にあたる今年の3月には10-20億円の赤字であるというデータが作られていたところ、「都側」が「54億円の黒字」になると書き換えたのだという。都はしらばっくれているらしいが、この「都側の意向」がどこから出てどのように働いたのか、具体的に調べるべきだろう。拓銀など、回収できるはずもない融資を繰り返した経営陣は背任で刑事責任を負って牢屋に入っている。新銀行東京も徹底的に追及してほしい。
ついでに、やれカジノだオリンピックだマラソン大会だ三宅島オートレースだ!と、興行ばかり企画している知事の「業績」とはどんなものだったのかも、マスコミはきちんと整理してみせてほしい。三宅島のレースはとてもレースに使えるようなコースではなく(危なすぎて)、ホンダが直前に参加辞退した。結果、間抜けなバイクのパレードにしてお茶を濁したのだが、「こうやっていいアイデアを作ってやったんだから、後はあんたらが一生懸命やんなさい」と島民に偉そうに言ってたことなど思い出すと、なんだか今回の銀行の問題とどこか似ているような気がしてきた。「グッドアイデアです、知事」ということで、計画を作ると、いろいろとまずい材料も出てくる。ちょっと無理っぽいかなと思っても、誰が「止めましょう」って言えるの?ということだ。結局問題を残したまま作られたものが機能不全であることは、土壇場になってから判明し、「プランは悪くなかったけど、実務に携わった者の問題だ」というのだ。銀行の外形標準課税の敗訴の問題といい、今回の銀行の問題といい、オリンピックといい、大変な負債を背負い込むことになる。
銀行の問題も、おそらく悪い噂はかなり前から流れていたはずで、新聞などが辞任した役員たちなどにきちんと取材していたら、もう少し早い段階で問題が顕在化したのではないだろうか。どうも及び腰なのが気になる。