ストリーム終了

昼間聴いていたTBSラジオの「ストリーム」が終了するらしい。残念だな。いい番組だったのに。
ニュース解説的なコーナーはテレビ番組では聴けない話が多かったし、音楽のコーナーでは月に一度のピーター・バラカン氏の紹介するCDで随分愛聴盤が増えたのに。
町山智宏氏の映画紹介と米国事情のコーナー、阿蘇山大噴火のB級裁判傍聴記も好きだった。大槻ケンジが紹介するのを聴いて、高野秀行氏の本も愛読するようになった。「そぞろ歩きは軟派でも...」という感じの、とてもいいバランスの番組だったのに。

放送業界には今、予算削減の嵐が吹き荒れているようなのだが、TBSラジオは昨年の伊集院光の日曜の番組や、深夜のバツラジなど、一癖あるニュース解説を織り込んだものが次々に無くなっていっていてつまらない。マニアックな路線に行きすぎたというきらいもあるのかもしれないが、今後中波ラジオを聴き続ける人間像を考えると、あまり賢明な選択ではないように思う。

元々、それほどラジオ好きではなかった。10代に深夜放送を熱心に聞いた時期も短く、以後中波ラジオは全く聴いていなかったが、仕事で1ヶ月以上雪隠詰めになったときに、CDを取り替える余裕もなく、なんとなく聴くようになった。意外に面白いじゃないか、と、以後習慣になっていた。

昨今の雑誌廃刊にも通じる問題だと思うが、日本の大メディアの広告収入依存体質には未来がないなと痛感する。このモデルを最大限利用して大儲けしている出版社もあるようだが、広告は確実に旧来のメディアから離れていく。
こんなに小さな国なのに、日本の広告・メディア業界はあまりに高コスト体質なのだ。ありとあらゆる広告、番組に「タレント」が顔を出すのがそのいい例だが(馬鹿げたことにNHKもこの路線を追い続けているが)、業界内で金を回しあってきた仕組みが限界に来ているのだろう。
「ストリーム」で町山氏も言っていたが、この際、「好きなものに金を払う」という本来の形に立ち戻る仕組みが早く出来てほしい。法律も改正される見込みが強いようだし、Paypalでも何でもいいから、簡易に少額の金を払うシステムを充実させてもらって、ついでに著作権料の支払いに関しても「大メディア対応」を改めてもらって、見たい、聴きたい、読みたいものをそれなりの負担で受け取る仕組みを実現してほしい。NHKも例外ではない。