茨城県奥久慈の川原で拾ったメノウをいくつか切ってみた。赤みのある瑪瑙は断面にはっきりと縞模様が見えるものも多いのだが、ほとんどが切ると、模様が判然としなくなる。割れ目が酸化して、縞の層の間が特に赤く色づいていたものが、カットすると色味に乏しくなり、層の境界がはっきりしなくなるのだ。切ってみて、一番模様が良かったのはこの瑪瑙だろうか。
奥久慈で採取したものに、インクルージョンが多い、モヤモヤしたものが多々あった。ほとんどは切ってみても、やはりモヤモヤしたまんまなのだが、これなど、見ようによってはオレゴンやテキサスのプルーム・アゲートにも近いものがあると言えなくもない。薄く切り出したら綺麗かもしれない。
山形県南西部産の瑪瑙は複雑な模様で面白かった。鉄が入っているように見える。
半月ほど前、娘と福島県北部に日帰りで瑪瑙採取に出かけた。梅雨どきに行くのもどうかとは思ったが、週末二日続きで天気が持ちそうだったのだ。
日帰りするにはちょっときつい距離で、4時起きして夜明けの東北道を飛ばしていたらば、なんと、スピード違反で切符を切られた 確かに130キロくらいで走ってはいたが。ガラガラに空いている道で速度違反て..。福島弁の警察官に、もっと品のない運転をしてるBMWとかベンツとかいるだろあんた、と言いたかったが、苦々しく切符を握りしめて国見インターで降りる。かねてから頼んでいるETCは一向に入荷しないし、今日の瑪瑙採取はどんだけコストがかかるんだ?と思っていたらば、日中晴れの予報にもかかわらず、雷が鳴りはじめ、コンビニでおにぎりを買っていたらば、停電してしまった。
何と不吉な日なのかと思いつつ、雨の中、しばし山中をうろうろして、ようやく産地に着いた。
土手沿いに瑪瑙の破片が散乱している。
ドロドロになりつつ土手を上ると、地中から結構大きな塊が出てくる。ただ、どうもこれは本来の産地ではなく、道をつくるために工事して積み上げた土砂のなかに入っているようだ。薄い脈状に出来た瑪瑙が多いのだが、砕けた状態で土の中から出てくるし、断面も新しく見える。時間があれば付近を探索したのだが、粘土質の土手でジタバタしたり、滑り落ちたりしているうちに疲れてしまった。
瑪瑙のほとんどはサンドイッチ状の薄いものだが、外側が黒味がかったものが多く、それが樹状のインクルージョンになって内側に伸びているのが面白い。
薄水色の瑪瑙もあり、マイナーな産地ではあるけれど、期待した以上の場所だった。
付近の藪にナナフシがたくさんいて、娘はむしろそっちに関心がいっていた。私も日本でナナフシを見るのは二度目だ。できれば地面が乾いているときにもう一度行きたい。