石川県探石行

連休は家族で石川県に探石に出かける。高速道路料金値下げで、大変な渋滞になると脅かされていたので、3時起きして出る。それでも一部渋滞していた。恐ろしい。
そもそも我がボロ車にはETCが付いていない。ETCの普及促進をしているのが、どうも天下りの巣っぽい印象があり、気に入らなかったのだ。なので、値下げは関係ないのだ。とは言っても、やはり1000円になるなら...と、4月に入って申し込んだが、既に予約待ちが大勢いて、全く見通しが立たないとのことだった。法律が通るのはわかってんだから、もっと準備しておいてほしい。片道1000円で済むところが10倍の料金だ。支払い方法で、これほど金額が違うというのは、あまりに無茶なんじゃないか。

初日は医王山のオートキャンプ場でキャンプした。敷地のゆったりした、なかなかいいキャンプ場だった。最近のキャンプ場は焚き火禁止のところが多いが、焚き火台の上で焚く分にはOKとのことで、久しぶりに火を眺めながら夜を過ごす。やはりキャンプは焚き火が無くちゃ物足りない。

日中、近くの川で早速瑪瑙を探す。転石の中に瑪瑙やジャスパー、オパール、クオーツのジオード、珪化木、化石の入ったノジュールなどが容易に見つかる。今回、流紋岩の球果中に瑪瑙が入っているサンダーエッグタイプのものを探しに行ったのだが、削れているが、明らかにそうしたタイプのものも多い。短時間ではあったが、思いの外収穫があった。



翌日から地元の愛石家Kさんに案内していただいて、瑪瑙が採れる場所を巡る。瑪瑙探しに行きたいとご相談したところ、快く案内してくださることになったのだ。本当にありがたい。
医王山近くの河川は、昨年大きな氾濫があり、現在、堆積した土砂を浚渫し、護岸工事を行っている。この工事が連休中で中止されていた為、河原に入れ、重機で河岸に積み上げられている石の中からも数多く瑪瑙を見つけることができた。大きな珪化木もゴロゴロしている。椅子にできるほど大きなものもあり、硬く、中心が瑪瑙化していものもあった。あまりに大きいので持って帰るのはあきらめたが、見事な珪化木だった。
護岸工事が終わったら、石が溜まる場所が少なくなり、探石は難しくなるかもしれない。




さらに医王山から離れて、小松市の赤瀬、那谷、菩提方面に連れて行っていただく。医王山周辺の瑪瑙とは少し違ったものが採れる。
大きなクオーツのジオードが採れる場所に行くと、割れてばらけた小さな水晶が散乱しているところがあり、「光りモノ」が好きな娘は大喜びで拾っていた。大きな塊を掘り出し、いくつか持って帰る。瑪瑙の中心がクオーツのジオードになっているもの、ジャスパーと瑪瑙が混じっているもの、オパールと瑪瑙が縞模様になっているものもある。端を欠くと、オレンジ色のモス・アゲートが覗いているものもある。いずれカッターを購入するときのお楽しみだ。
Kさんは地元で長く探石をされてきた方で、近辺の産地について知り尽くしていらっしゃる。今回、特別に案内していただいた場所も多かった。


赤瀬はオパールの産地として有名だ。稀に遊色のあるものも採れるらしい(帰りに、一つサンプルをいただいた)。那谷寺の奥の院・那殿堂の敷地内で流紋岩中に産するものが採れるが、採取禁止なので、川で転石を拾う。球果の中にオパールと瑪瑙が層状に入っているものもある。オパールはほとんどが白色のものだが、サーモンピンク、水色、また、少し透明感のあるものもあった。静かな山の中の清流なので、探石も楽しい。主目的だった、流紋岩の球果中の瑪瑙やオパールも、泡状の流紋岩の表面が残っている良質なサンプルが採れ、大満足だ。Kさんご自身が採った石も沢山いただいて恐縮至極だった。



この日は湯桶温泉に泊まり、翌日も探石に。
娘が化石にも興味があると知り、犀川に貝の化石を採りに連れて行ってくださった。河岸には柔らかい新生代第四期の露頭が広がっていて、白い貝の化石がたくさん入っている。比較的新しい年代なので、見慣れた形の貝が多い。水を含んでいる部分は泥状なのだが、乾くとかなり硬くなるのだそうだ。二枚貝、巻貝、ウニなどの化石、稀に鯨の骨なども出るらしい。

2日半、Kさんに本当に親切にしていただいて、天候にも恵まれ、とても楽しい探石行だった。予想以上の収穫で、お土産もたくさんいただいてしまったので、車に積めきれないほどの量で、キャンプ用品を宅配で返送して、代わりにボロ車のトランクいっぱいに石を積んで帰る。(帰って、置き場をどうするかが問題だが....)


帰りは渋滞のピークで、10時間以上かかることも覚悟していたが、8時間程度で帰れた。春先のシーズンなど、房総の先から6時間かかることもあるのだから、たいした時間ではない。いつの日か、是非また訪れたい。
Kさん、ありがとうございました!