北八ヶ岳

連休は北八ヶ岳にキャンプに。
梅雨は明けたはずだったのだが、なんで戻ってくるのか、前線は。


北八ヶ岳の苔むした原生林が好きで、20年くらい前はほぼ毎年訪れていたが、娘が生まれてからはすっかりご無沙汰していた。
長野は降雨確率60%と出ていたが、山のどちら側かによっていろいろと違うようで、上信越自動車道の佐久インターで降り南下すると、キャンプ場がある八千穂高原付近では晴れ間も出ていた。だが、さらに道を上って行くにつれて暗くなっていき、標高約2000メートルの麦草峠付近は霧雨が強い風に舞っている。幸い強い雨降りではないので、とりあえず合羽を着て近くの雨池まで歩くことにした。

麦草峠から雨池、雨池峠、縞枯山荘、ピラタス山頂、狭霧苑地と回って、国道に戻るというのが、自動車で行く場合の定番コースだった。歩いて4-5時間くらいだろうか。山登りが好きな人にとっては面白みがないルートかもしれないが、私は麦草峠から雨池に至る道周辺の、根を青い苔に覆われた林が好きなので、そこさえ歩ければそれなりに満足なのだ。雨池は麦草峠から4キロほどなので、これに多少の追加をして、カラ松が縞模様状に枯れている山などを見つつ、それなりに汗をかいて帰る、さらに余裕があるときは、南の渋ノ湯まで下って泊まる、という感じだった。

麦草峠にある山小屋麦草ヒュッテに寄るのも久しぶりだ。冬期は道は通行止めになるが、ヒュッテはずっとやっている。一度、友達に誘われて、国道を歩きスキーでヒュッテまで上がっていったことがあったが、初めてスキーを履いたので、結構しんどかった。後にも先にもスキーを履いたのはその時だけだ。昔は確か黒い犬が二頭いたのだが、随分前に亡くなったらしい。

雨池までの道に、木道が出来ていたのが驚きだった。道がぬかるんでいるからかなと思ったが、環境保護のためと書いてある。苔に覆われた木の根を傷めないようにということなのだろう。途中、大きなグループ二つ、その他数人とすれ違った。この道で、こんなに人に逢うのは初めてだ。訪れる人が増えているのだろう。多種多様な苔や地衣類が木の根と表皮を覆っている。






地衣類っていうのは、菌類と藻類の共生体なのだそうだ。と言われてもよくわからないのだが。
丸い樹状のものなど、昔はジオラマで樹木として使われていた。独特の弾力がある。ウルトラセブンに出てきた「ワイアール星人」っていうのが、たしかこんな感じだった。
べたっと木肌にくっついているもの、髭みたいに木からぶら下がっているものなど、ざっと見ただけでもかなりの種類あるようにみえる。食用になる地衣類もあるらしい。
国立科学博物館のウェブサイトに地衣類の頁があった。
http://research.kahaku.go.jp/botany/chii/index.html

1時間半ほどかかって雨池に着く。雨池は大きな池なのだが、浅く、ほとんど干上がってしまうこともある。時間があれば峠を越えてピラタス山頂の方に行こうかとも思ったが、思いの他時間がかかってしまったので、同じ道を戻った。


キャンプ場は駒出池の畔にある、町営のものだ。敷地が広く、コテージもあってなかなか雰囲気がいい。
夜はすっきりと晴れて、満天の星空だった。道に寝転がって星を見た。降るような星空というのも久しぶりなのだが、乱視が進んでいるせいか、全体に滲んでいる。

キャンプ場の炊事場には、いろいろな蛾が集まってくる。大きな薄緑色の蛾、枯れ葉に擬態した蛾が見事だった。

翌日は晴天で、再び山を上がって白駒池でボートに乗る。この池の周囲も青い苔がきれいなのだが、やはり木道がついていた。

その後、佐久平で「らいあん」というおいしいそば屋に寄り、高速に乗り、長野インターで降り、小市に石を採りにいく。
犀川沿いの崖にサンダーエッグが採れる露頭があると知って行ったのだが、小さな沢沿いにレインフォレストジャスパーに似た模様の流紋岩はあったが、球顆はみつけられなかった。さらに、犀川で石拾いをするつもりだったが、前日かなり降ったのだろう。ダムが放流していてい、とても川に降りられるような環境ではなかった。残念。