地震9

放水がそれなりに奏功したのではという雰囲気が広まっていたかと思ったら、3号機から黒煙。やはり内部の様子がわからないと先に進めないような気がするのだが、本当に方法はないんだろうか。
読売のオンライン版には「3号機ではプール容量の2・5倍に上る放水が実施されているが、水位は依然として不明のままだ。4号機については、プール自体が破損している可能性も指摘されている。」とある。米原子力規制委員会が4号機のプールの壁か床が破損している可能性があるという見解を示しているというのだが、何故そう考えるのか、根拠が示されていない。原子力規制委員会は以前から4号機のプールに水が無いのではないかと言っていたが。

今日、友人からの連絡で理化学研究所槌田敦氏のインタビューを掲載しているサイトを見た。海水を注入したことにより、炉内に塩分が残り、それが冷却水の流れを妨げることになる、など、原子力資料情報室などともかなり異なった状況分析をしている。もうよくわかりません。
槌田氏は70年代からエントロピー理論に依って、原子力発電を批判してきた人だ。原子力発電は石油依存を超えるという題目のもとに推進されてきたが、結局は石油文明の一部にすぎない、というのは非常に鋭い指摘だったと思う。78年に刊行された『石油と原子力に未来はあるか』は、当時読んだ原発関係の本の中でも、画期的な視点を提供してくれるものだった。基本的には今でも構造的には変わっていない。燃料の精製からプラントの建設、使用済み燃料の管理から廃棄物の半永久的管理まで、基本的にほとんどの部分化石燃料に依存していて、「原発の効率性」を語る人たちは、これらに費やされるエネルギーの総体を考慮に入れていない。
槌田氏は最近は炭素ガスによる温暖化理論に対する批判で知られている。これに関しては、どう判断したら良いかよくわからない。こちらには判断する材料もない。同じことが今回の原発の状況分析に関しても言える。もうわかりません、としか言いようがない。