オーストラリア・ノーザンテリトリー旅行8

翌日は北上し、リッチフィールド国立公園に向かう。大陸を南北に貫くスチュアート・ハイウェイをひたすら走るが、景色も変わらずどうしても眠くなってしまう。家族も「大丈夫?」などと言いつつ例によってぐーすか寝ている。一瞬、コックリしてしまって大いに焦る。最寄りの小さな町でコーヒーを探すが、コーヒー牛乳しか売っていない! 日本以外でコーヒー牛乳にお目にかかるのは初めてだ。しかも味もそっくり。
キャサリン近くで線路と並走したが、これはブルース・チャトウィンの『ソングライン』に書かれていた鉄道だろうか。

なんとか事故ることもなくリッチフィールドの入り口、バッチェラーの町に着く。かつて錫の採掘で作られ、第二次大戦後はウラン採掘でに支えられた町だ。現在、ウラン採掘はカカドゥ公園の中で行われている。
宿泊したB&Bは高床式の独特な建築でリビングルームのテーブルに鉱物標本が沢山飾ってある。もしかして宿の主人が石好きなのかと質問したが、誰かが持ってきたものらしくほとんど何も知らなかった。ノーザンテリトリー北部には良質な瑪瑙やぶどう石など、様々な石の産地がある。キャサリンノーザンテリトリーの石を扱う鉱物店もあったのだが、6月からの営業だった。残念。

宿の主人が、ガソリンスタンド横の木にオウムがたくさん来ていると言うので、行ってみる。すると、少し離れた所からオウムの鳴く声がけたたましく響いている。行ってみると、大きなキャンプ・キャラヴァンサイトの中の木にモモイロインコ、アカエリゴシキセイガイインコ、アカビタイムジオウムなどが群がっているではないか。特にゴシキセイガイインコはすごい数だ。水場とえさ場がある。管理人が朝・夕に餌付けしているのだった。
珍しい鳥を間近に見られて、オウム・インコ好きの娘も大興奮だった。
なぜか近くで数羽みかけたキバタンが餌を食べに来ないのが不思議だったが。




管理人の男性が園内のヨダカを見せてくれた。ほら、あそこに、と言われてもなかなかわからなかった。擬態している。

リッチフィールド国立公園はカカドゥに比べると規模も小さく、泳げる川・滝つぼが多いことから、ダーウィンから日帰りで来る人も多い。
入り口付近には巨大なシロアリの巣が点在している。大きなものは高さ5メートルほどにもなる。

アリ塚が点在している風景を見て、なんともいえない既視感を覚えた。イギリスの巨石遺構そっくりだったのだ。

リッチフィールド国立公園も水が引いていないので入れない場所があった。一番有名な滝つぼもワニの危険があるため立ち入り禁止。やはり6月以降に来るのが良いようだ。
たっぷり泳いで帰る。「飛び込み禁止」とあるが、岩山をよじ登って滝の上から飛び込む輩多数。結構ギザギザの岩肌なので、100回に1回くらい怪我するやつがいるのでは。



バッチェラーに二泊し、ダーウィンに戻るが、途中テリトリー・ワイルドライフ・パークという屋外動物園に寄る。
当初の予定にはなかったが、鳥好きのバッチェラーのキャラヴァン・パークの管理人が是非行けというので。
水族館もありなかなかの人気なようだが、我々は鳥の多い池の周囲を回って帰る。

夜行動物の展示館ではキャラバン・パークで寝ていたヨダカが起きると非常に鋭い顔になることを知った。

ダーウィンに夜戻って旅の終わり。ミンディル・ビーチでは花火が上がっていた。