インド 地上絵・壁画撮影行 その1

成田から直行便で夜インドのムンバイに着いた。ずっと時差の多い国に行っていたので、3時間半差というのは助かる。

インドルピーはこのとき1.77円だった。円安なので、きっとルピーも高くなっているのだろうと思ったが、調べてみるとかつてはもっと高い時代があり、円高だったはずの90年代後半など3円を超えていたようだ。70年代前半の旅である『深夜特急』には35円だと書いてあった。

予約していたホテルはビルの2階に数部屋だけあるというものだった。ビジネスホテルのような感じだ、旅行代理店はもっと高いホテルをツアーの一部に組み込もうとしていたが、無駄なので、自分で別の宿を予約した。全く不自由なかったが、そこに着くまでの露地の、人とバイクとリキシャと自動車がクラクションを鳴らしながら入り乱れ、人が牛がそれらの間を縫って歩く様子は、他のどの国でも見たことのないものだった。

出発前に自分で運転して南の町ラトナギリに行く手もあるなと思って、そんな書きこみをTwitterしたら、インド旅のエキスパートの蔵前仁一さんが「絶対にやめてください」と。「インドの道路はカオスそのものです」と。たしかに、カオスというのがよくわかった。もし自分で運転していたら、道順はわかっても、クラクションや無理やり横をすり抜けていくバイクやリキシャ、逆送してくるバイクなどで消耗し切っていただろう。

宿から出て夕食を食べに宿沿いの道を歩く。軽食専門の店でチキンサンドイッチを食べた。鶏肉を細かく砕いたものをマヨネーズであえたような感じだ。辛いというほどではないが、スパイスがきいている。酒屋でビールを買い、宿に戻った。