Google Earthはすごい/バート・ヤンシュの新譜

怪奇・幻想文学の研究者にしてアンソロジストとして活躍されている東雅夫さんが『小説推理』(双葉社)で、拙著『巨石』の紹介をしてくださった。東さんはご自身のブログ「幻妖ブックブログ」でも大きく取り扱ってくださり、本当に有り難い。この春から筑摩文庫で「文豪怪談傑作選」という4巻シリーズの装幀をしたが、その企画・編集が東さんだった。この仕事、私が大ファンだった金井田英津子さんに装画を描いていただいて、とても楽しかった。
http://blog.bk1.co.jp/genyo/

森鴎外集 鼠坂―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)   吉屋信子集 生霊―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫) 

以前も紹介した、古代遺跡のサイト「遺跡馬鹿」さんが、新しくGoogle Earthで遺跡を見るとどうなっているか紹介したサイト「Google Earthで遺跡を探せ!」を立ち上げていた。面白い。行ったことのある場所も、上からみたらこんななのか!と、発見もある。Google Earthは以前よりもぐっと解像力が上がっているように感じる。実際、Google Earthが始まって、早い段階で、トルコで新しい遺跡がみつかったという話をきいたので、今後も同様な可能性があると思う。イギリスでも航空写真が撮られるようになってから、かなり多くの石器時代の遺跡がみつかっている。地上ではほとんどわからない程度の起伏が、上空からはくっきりと円形や直線上の陰影になって写るのだ。麦畑に5000年も前の道の跡が真っ直ぐにくっきりと残っているのが不思議なのだが、土壌が少ないということでもあるのだろう。日本では考えられないことだと思う。
しかし、Google Earthはすごい。池袋の仕事場の建物の屋上に置いてある青いバケツまで写っている! もうちょっとで、人の顔も判読できそうだ。
http://blog.goo.ne.jp/isekibaka

バート・ヤンシュの新譜「Black Swan」を聴く。ここ何枚かでは一番良かった。トラッドも数曲入っている。一番の特徴は、数曲、ベス・オートンがリード・ボーカルをとっていることだが、今までのバートの曲を歌った人にないタイプのだるめのハスキーボイスで、新鮮だった。Watch the Starsなど、ペンタングル時代に名演がある曲もガラリと印象が変わる。ベス・オートンはアルバムも聴いたが、これもシンプルながら味のあるボーカルでなかなか良かった。また、デヴェンドラ・バンハートがハーモニーで入っているが、この人は何とも変な人で、興味がある。一枚聴いたのだが、どうにもよくわからない。えもいわれぬヘロヘロボイスで面白いのだが。ジャンル分けするとしたら、アシッド・フォークなのかと思うが。ちょっとシド・バレット風の虚ろ感がある。クレジットにアウター・ヘブリディースに住む伝説のシンガーのヴァシティ・バンヤンの名前があるが、参加してるのか、オマージュなのか? ジャケットが面白いので買ったのだが、インナースリーブから歌詞までアウトサイダー・アートのような偏執狂的細かさで文字がびっしり書き込んであり、とても読む気になれないので、どういう歌なのか、まだよくわからない。この人、どこまで天然なんだろう。別にわからなくても、聴いてて面白ければそれでいいのだが。

The Black Swan   Rejoicing in the Hands  Daybreaker