大根一本/ボラート

事務所のご近所の方から大根を一本もらった。町内会の長老的な人で、義母が大根の煮たのが好きだったでしょうと、菜園で作ったものを持ってきてくださった。だが、家にいるのは私と猫だけだ。「是非仏前に」と言われた以上、自宅に持って帰るわけにもいかないし。忙しくてついつい放置していたら少ししなびてきたので、今日、慌てておおざっぱに煮物を作った。二切れ仏前に供え、残りを全て食べ、数時間後、供えたものも下げて食べた。一日に大根を一本丸ごと食べたのは初めてだ。ところで、急に腹が張ってきて、なんとも気持ち悪い。これは大根のせいなのか?

アメリカで「ボラート」という映画が話題らしい。カザフスタンの国営放送局のキャスターをかたって、南部の保守的な政治家などに無茶苦茶なインタビューをして歩いた人の、一種のロード・ムービーらしい。この人、本当はユダヤ系イギリス人のコメディアンらしいが、カザフ人になりすまし、政府に派遣されてきたと言うと、みんなすっかり騙され、しかも地下資源豊富な親米国とつながりを持ちたい連中がこぞって歓待したという。ボラートはデタラメな「カザフの風習」を吹聴し、普通は口にできないような露骨な質問を連発し(カザフでは働いている女性はみんな娼婦だけ。ところでアナタはいくらですか?とか)、「ユダヤ人は地獄に落ちる」とか、「女は家でおとなしくしてればいい」とか、保守的な政治家などの本音を引き出し、それがアメリカのケーブルテレビで放映されたという。どうせカザフで放映されるだけでしょ、とたかをくくっていたいた政治家などは、大慌てだったようだ。カザフの大統領が「この男はカザフ人ではありません。言っていることもデタラメです」と、声明を出したという。彼は今、訴えられているらしい。
映画評論家の町山智浩氏のブログに、You Tubeにアップされている映像のリンクがあった。スーパーにずらっと並んでいるいろんなチーズを、ひとつひとつ、「これはナンデスカ?」と聞き続け、答えさせるシーンなど。「私はブッシュ大統領の「テロ戦争」を支持します」は黒い。いかにもイギリスのコメディアンがやりそうな、馬鹿で屈折した企画だなぁ....しかも、なんて大がかりな....。是非見てみたい。

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20061017