実相寺昭雄の死とメトロン星人の出身地について

最近コンビニのおでんを食べることが多い。コンビニのおでんの大根、あれはどうやって味付けしているんだろう。回転の速いコンビニで、煮込んで味を付けているわけではない。あらかじめ味付けしたものを入れているのだ。大根は妙に味が濃く、甘みがある。出汁を注射しているのか? ネットで検索してみると、「私もコンビニで働いていた友達の話を聞いてから、コンビニのおでんは食べていない、云々」という文字列が。が、該当する本文に行き当たらず、それが何を意味しているのか、わからなかった。

泊まりこみ仕事がつづき、なんだか感覚がおかしくなってきたが、あと少し....で、今年も終わってしまうのか! 早い。
ウルトラマンシリーズの監督で知られる実相寺昭雄が亡くなったという。子供の頃は怪獣と宇宙人が大好きだったが、「ウルトラセブン」までしか見ていない。幼稚園でいっしょだった友達から借りた「円谷怪獣」という上製本をボロボロになるまで読み、番組名・映画名と怪獣名の組み合わせをほとんど暗記していた。「そ、そんなに好きなら....」と、友達のお母さんにその本をもらったのだった。「帰ってきたウルトラマン」を見て、怪獣のデザインがあまりに手抜きに見えて、落胆した憶えがある。帰って来なければよかったのに.....と思ったのだった。まあ、年も小学校の中学年になっていたので、受け止め方もちがったのだろう。以後のシリーズも見ていない。
実相寺さんというのはその筋では非常に評価の高い人のようだが、この人が監督した作品というのをあらためてネットでみてみると、たしかにシリーズ中でも印象の強かった異色作が多い。昨日、今日とラジオなど聞いていて、最も多く取り上げられるのは、ウルトラセブンの「狙われた町」という話だ。メトロン星人という宇宙人が夕暮れのボロアパートの四畳半で、ちゃぶ台を挟んでモロボシダンと話す場面が有名なのだ。パチンコの宣伝にも使われていた。おかしな図像だった。私が好きだったのは、「サイケ星人」とかいういい加減なキャッチのついたペロリンガ星人というのが登場する話だった。望遠鏡で星を見るのが好きな青年が、星に偽装した円盤群を見つけるが、誰にも信じてもらえないという話。唯一、話を聞いてくれた少年が実は宇宙人で、薄暗い部屋の襖を開けると押し入れ全体がスクリーンになっていて、宇宙を飛行している円盤群が映し出される。星を見ることだけが楽しみの寂しい青年に、「サイケ星人」は、「誰も君の話なんか聞いてないよ」「僕らの星に連れてってあげようか」というようなことを言うのだが、「見知らぬ少年」が主人公の潜在的な自我の一部分を体現しているという意味でどこか近代文学によくあるモチーフだった。襖を開けると宇宙空間が広がっているという映像が、子供の頃は結構ゾクゾクしたのだ。
メトロン星人は宇宙人のデザインとしても秀逸だと思う。成田亨という、バルタン星人とかと同じ人がデザインしたものだ。今日、唐沢俊一のラジオ番組を聞いていたら、エビとかがモチーフなんじゃないかと言っていたが、これはおそらくパプア・ニューギニアの仮面がもとになっている。以前このブログでも書いたが、成田さんという人はシュールリアリストであり、現代美術経由でプリミティブ・アートに興味が深かった人のようだ。アフリカの仮面などにも、いろんなアイデアを求めていたようだが、メトロン星の顔はおそらく、下の、セピック川流域の部族による造形が土台になっている。鼻がくちばしのように下に伸び、左右にエラのような装飾があり、全体に流線型、目は縁取りのある突起状のものだ。以前、ネット上で「これしかない」というようなものを見た覚えがある。AからDまで、どこか総合してみればわかるが、ちょっと試しにモンタージュしてみた。1の仮面をもとに、2.顔をのっぺりさせて、3.頭を尖ったタイプのものに換えて、4、目を離して、エラ部分の装飾を少し大きく延ばす。どう、似てるでしょう?って、ああ、暇でもないのに、こんなことに時間を使ってしまって.....。

それにしても、振り返ってみると、このブログの「人が亡くなった」話の多いこと。