ミスター・ボージャングルズ

サラ・ヴォーンがポピュラーソングを歌ったものばかり集めたCDがなかなかよかったので、今度はなんとなくニーナ・シモンのベスト盤を聴いてみた。21曲、I Put A Spell on YouとかDon't Let Me Be MisunderstoodなどのスタンダードからビートルズのHere Comes the Sunまで入っている。ちょっと雑多な感じだったが、「ミスター・ボージャングルズ」がなかなか良かった。この曲は昔からラジオなどから流れるたびに、心動かされていたのだが、最近までこの曲が入ったレコードもCDも持っていなかった。いろんな人がやっている。最近コマーシャルでも使われているが、誰のバージョンなんだろうか? ニッティ・グリッティ・ダート・バンドかな。
半年ほど前に買ったランバート&ナッティカムというアコースティック・デュオのアルバムにもこの曲が入っていた。1970年のアルバムだ。全く知らなかったのだが、たまたまCD屋で見かけたジャケットに惚れてしまい、所謂ジャケ買いをした。これが大当たりで、実に雰囲気のいいアルバムだった。ところで、ミスター・ボージャングルズって、どういう人のことなのかちゃんとわかっていなかったのだが、このアルバムに入っていた歌詞カードで初めて理解した。刑務所の中で会った流れ者の芸人の人生に耳を傾ける歌だったのか。この歌を作ったジェリー・ジェフ・ウォーカーが、酔いつぶれてニューオーリンズの刑務所に入れられたときに出会った、年老いたボードビリアンの歌なのだという。詩を知って、ますます好きになったのだった。

Best of  アット・ホーム(紙ジャケット仕様)