浅川マキのCD

ヤフーのオークションで浅川マキの「Darkness IV」を買った。二枚組ベストの第四弾で、これがラストであると書いてある。ここ十数年、新作もライブもほとんど聴いていなかったが、好きな歌手だったので本当は新品を買うべきだったのだが、安かったのでつい入札してしまった。60年代のライブ音源が入っていて、なかなかよかったが、本当はベストではなく、過去のアルバムをCDで出してほしい。以前東芝で発売された数枚のCDの音が気に入らず、彼女は廃盤にしてほしいと言って、その後、「傑作選」という10枚組のセットが限定で発売され、それきりCDは出ていないようだ。LPはまだほとんど持っているので、LPで聞けばいいのだが、自宅でLPをゆっくり聞くような環境がない。本人がリマスターにきちんと関われば、納得いく音のCDもできると思うが、そういうことをしようという気持ちにならないのだろう。このベスト盤のシリーズは彼女の写真を撮ってきた田村仁のプロデュースとある。Darknessというタイトルがあまり好きでなかった。「暗さ」って言われても...なぁ...と。陽気な歌はあまり歌わない人だったが、暗い歌が聴きたいと思って聴いたことはないのだ。「寂しさには名前がない」というような言い方が、私は好きだった。
オークションで落札すると、中国の上海から連絡が来た。出品者は中国人で、代金は封筒に現金を入れて送れという。驚いてオークションの出品ページを見ると、確かに上海から発送なので、書留で現金を送れと書いてあった。浅川マキのアルバムを中国から買うなんて考えてもいなかった。現金を封筒に入れて送るのはほとんどの国が禁止している。石の売買などで、何度かヨーロッパやアメリカに現金を送ったことがあるが、法的には、発見された場合は没収なのだ。出品者に「もし見つかって没収されたら、どうするの?」と尋ねると、「大丈夫です。何かあったら責任もちます」というので、手紙として送った。無事届いたようだ。届いたCDは見本盤だった。改めて出品ページを見ると、確かに商品説明の末尾に「さんぷル盤」とあった.....。これもまた見てなかった。
昔から中古市場に見本盤が出ることは多いが、外国に見本盤が流れるというのは、どういう仕組みなんだろうか。個人的に海外の業者に売っている業界人がいるのか、中国に第二市場のようなものができているのか。