ここのところタイトルバックに使ってきた鳥の写真はパフィン、和名ツノメドリという鳥だ。私はバードウォッチャーでもないし、鳥の名に特に詳しいわけではないが、初めてアイルランドに行ったときに、スケリッグ・マイケルで見たこの鳥の様子がすっかり好きになってしまい、スコットランドの北東のオークニー諸島を訪れた際には、パフィンのコロニーがあるというパパ・ウェストレー島まで渡って、崖っぷちにうつぶせになって産卵期を迎えていたコロニーの写真を撮った。今考えると、高所恐怖症の私としては、よくぞというような行為だったが―。小さな、小鳩くらいの大きさの鳥で、海にもぐって小魚を穫る。ズンドウで羽根は短く、飛ぶときは、必死に羽ばたいてなんとか飛んでいるというような感じ。カモメやカツオドリが悠々と舞っているのに対し、けなげとしか言いようのない雰囲気だ。顔が道化の化粧のような、どこか困ったような表情なのがなんとも愛らしい。鳴き声はギューギューという地味なもので、地面に穴を掘って巣穴にし、子育てをする。あまり丈夫な鳥ではないし、食料としている小魚が海水温の変化で不漁になったりして、今、かなり個体数が減っているらしい。イギリスやアイルランドでは冬に渡ってきて、6月末から7月に北に帰って行くが、オークニーくらい緯度が高くなると夏でも見られるのだろう。


 



オークニー諸島の対岸にあたる、スコットランド最北の町ジョン・オ・グローツに陶芸工房があるが、この工房を運営している夫妻はパフィンの形をしたカップやジョグ、砂糖入れなどを作っている。こういうものはえてして安っぽい感じになりがちなのだが、この夫妻が作っているパフィンの食器はなかなか良い。
サイトはこちら。
http://www.jogpot.co.uk/homepage.htm
この中のPUFFINWARE & FAUNAのコーナーにある。
この夫妻の作る焼き物はどこか和風で馴染みやすい感じがある。バーナード・リーチから始まるのかどうか、あまり詳しくないが、イギリスには日本の陶芸から影響を受けた人が多いように感じられる。益子で修行していたというような人も少なくないように思う。コッツウォルズにある以下の工房もその一例で、私はこの工房のものがとても好きだ。
http://www.cotswoldpottery.co.uk/

目白の明治通り沿いにある店Potter's Potでイギリスの「和風」陶器が売られている。
豊島区雑司が谷3-7-3ベルビュー目白1F 03-3986-7856