タッシリ・ナジェール壁画紀行 その1

10月5日の夜に成田を発つ。いつものエミレーツ航空のドバイ経由で、ドバイからはアルジェまで英さんと同じ便だ。ドバイは相変わらずギラギラで、ブランド品のショップや欧米のチェーン店ばかりで全く好きになれないのだが、このルートが一番安定感があるのでなかなかヨーロッパ経由とかイスタンブール経由にしようという気がしない。

 

 

機内の映画で日本語に対応しているものがどんどん少なくなっているのは、それだけ日本人の利用者が減っているということなのだろう。何の期待もなく「コカイン・ベア」を観るが、これがなかなか馬鹿でいい映画だった。

今回は日本の大使館でビザをとらずに来た。毎回このビザ問題でいろいろと面倒なのだが、アルジェリア政府が南部の観光地に人を多く呼びたいがためか、南部だけに行く人は現地でビザ発給できる制度に変えたのだ。

現地でといっても、事前に現地の旅行代理店経由で申請書類を送っておいて、QRコード付きの書類を受けとっておかねばならないのだが。これが届いたのが出発の10日前くらいだった。

この書類があれば、あとは簡易な手続きだけで入国できるのだというふれこみだったが、アルジェの空港のイミグレーションで、少し待っているようにと言われて、人の群の消えた閑散としたイミグレーション前のベンチで英さんと1時間半もぼんやり待たされる。

ようやくパスポートを持った係員がやってきたので見ると、手書きとスタンプのビザが書きこまれている。QRコードが発給されているので、てっきり機械から何かプリントしてパスポートに貼って完了、くらいのことかと思いきや、このアナログ感。やはりこの国は一筋縄ではいかない。

昨年同様、国内便のターミナルのカフェで待ち合わせる。今回はアンドラス、マグダレーナの主催のハンガリー人夫妻、ベルギー人2人、ドイツ人5人、アメリカ人1人、我々日本人2人の12人だ。ベルギー人の動物学者クーン、アメリカ人で単焦点のツァイスレンズをいくつも持ってくるマイケル、超健脚の84歳のドイツ人男性ハンス・ペーターの常連さんたちも参加している。ハンス・ペーターには今回は孫の男性が同行している。昨年は義理の娘さんが一緒だったが、彼女はたいへんな健脚で、どんなに歩いても涼しい顔をしていた。

夕方には全員が揃って、国内便に乗る。タッシリに入る町ジャーネットへの国内便は深夜で、今回は一ヶ所経由していくので、到着は3時頃になる。これが疲れを倍増させる。どうしてこういう時間帯に飛ぶんだろうか。子連れで乗る人も大変だろう。ちょうどパリからの直行便も復活したというから、次はパリ経由がいいのかもしれない。

おなじみのエッソンディレーヌの宿に泊まる。周辺は昨年からさらに新しい家や道の建設が進んでいる印象だ。