タッシリ・ナジェール壁画紀行 その2

アルジェリア着の翌日、午後に宿のあるジャーネットを出て、タッシリの台地への登り口であるAkba Assakoまで自動車で行き、キャンプする予定だったが、数日前に降った激しい雨で道が流れて車が通れなくなったとのこと。Akba Assakoまで行くことができなくなったという。サハラで激しい雨とは。時間が読めないので、朝からアンドラスが市場に買い出しに行き、昼前に出発することになった。

途中道路が川に遮られていた。ここに来るのは三度目だが、川の流れを見るのは初めてだ。深い部分があってそのままでは車で渡れない。岩をいくつも深い部分に入れ、川底を少しならして一台ずつゆっくり渡った。

難所をクリアして、「道が流れたので....」というのはてっきりこのことかと思ったが、さにあらず。標高1700メートル以上ある台地の1500メートルほどのところまで上がる車が通れる山道があったようなのだが、これがダメになってしまったようなのだ。行ける所まで車で行き、キャンプすることになった。

大雨が降った後で、予報によるとしばらく雨が降る可能性があるというので、出発直前にテント無しで寝るつもりだった人はテントを持ってくるように、雨除けのフライの無いテントの人も要注意という連絡が来ていた。いつもテントは安い中国製の一枚布のもので十分と言っていたし、テント無しで寝袋だけで寝る人もいたが、どうも今回はそうもいかないようだ。

 

 

夕暮れにラクダ隊も到着した。11頭いる。昨年はロバに荷物を積んで台地に上がったのだが、今回は上がる場所が異なり、勾配が少し緩やかなので、ラクダを使う。ロバは急勾配を上がることもできるが、荷物を50キロくらいまでしか積めない。ラクダは130キロまで積めるらしいが、昨年上がったような急な斜面は登れない。今回は比較的なだらかな山道だし、なんといっても、ラクダは少ない飲み水でも長く歩けるので、日数の多い旅に向いているのだ。

サハラのヒトコブラクダチュニジアで乗ったことがあるが、あらためて見るととても背が高い。長い足を器用に折り曲げてしゃがむが、乗って立ち上がると、高さに驚くことになる。

ラクダは静かだが、夜中に大きな声で鳴くことがある。声に驚きつつテントで寝る。