スコットランドの瑪瑙、瑪瑙の本

私のウェブ・サイトを見てくれたスコットランドの瑪瑙コレクターが、段ボール箱いっぱい、瑪瑙を送ってくれた。
交換しないか、という話はよくあるのだが、「あんたのサイトはとても面白かった。近づきに瑪瑙を送るから楽しんでほしい」と、一方的に言ってくる人というのは初めてだ。
二、三送ってくれるのかなと思い、「じゃあ、私からも日本と中国の瑪瑙を送ります」と返事すると、「昨日、20ほど送ったから」というではないか。
そ、そんなに? と、慌ててこちらもそれなりの数送ったのだが、届いた箱を見て仰天した。なかなか立派な瑪瑙がぎっしり、30近くも入っているではないか。
自分が送った瑪瑙では全く釣り合わないと感じ、正直に「もうちょっと追加で送ります」というと、「あんたが撮ったスコットランドの風景写真がすごく良く、送りたくて送ったんだから、そんなことは全く必要ない」と。
こういう人もいるんだなぁと、つくづく感心した。
でも、やはりこのままでは気持ちが落ち着かないので、追加で送ることにする。

瑪瑙に「アイ・アゲート」と呼ばれる、目玉模様がついているものがある。縞瑪瑙の多くは同心円状の模様を持つのだが、団塊の周辺部分に独立した同心円(球)状のパターンが並ぶものを「アイ・アゲート」と呼ぶ。これらの瑪瑙を切らずに、「皮」を削っていくと、丸い目玉模様が現れる。ブラジル、レイク・シューペリアー・アゲート、チェコの一部の瑪瑙などがこうした模様を持つのだが、スコットランドの瑪瑙にも同様のものがある。
送ってもらったものにもいくつかあった。

「目玉」が半分に切られているのだが、これも「皮」を削ったら、おそらく丸い模様が出てくるに違いない。近々、削ってみよう。
アイ・アゲートと呼ばれる瑪瑙には、大きな同心円状の縞瑪瑙の一部を上手く削り出して目玉模様にしたものや、クオーツの結晶が生えた柱の中心に同心円状の瑪瑙の核があるものを切ったものなどもあるが、やはり面白いのは、団塊の表面に目玉模様が浮き出ているものだ。


アイ・アゲートのコレクションで最も有名なのは、アメリカの鉱物コレクター、ラリー・コンクリンのコレクションだ。
以下に、見事な目玉瑪瑙が並んでいる

http://www.lhconklin.com/bio/agat_col.htm

ドイツの鉱物雑誌「Lapis」が、数年前に瑪瑙特集の別冊を出したが、ここにもコンクリンのアイ・アゲートのコレクションが載っていた。
この別冊はドイツのすばらしい瑪瑙の数々が載っている。写真のクオリティーも高く、瑪瑙が好きな人は買って損のない本だと思う。Johan Zenzの本にも載っていないドイツの瑪瑙の一級品の写真が多数掲載されている。ドイツ語なので解説はさっぱり読めないのだが....。ドイツのebayなどにも時々出ている。



ついでに紹介すると、2004年に出た以下のドイツの本も、Lapisとダブってはいるが、ドイツの瑪瑙のいい写真が多く載っている。付録にIdar Oberstein周辺の詳細な産地地図がついている。タイトルはAchat und Jaspis、出版社はEdition Deutsches Edelsteinmuseum。

スコットランドの瑪瑙を中心に編集された本が、スコットランド国立博物館が出した以下の本だ。スコットランドの産地情報も載っている。1989年の本で、Amazonマーケットプレイスに古本が出ているが、ちょっと高い。Avebooksなどで探した方が安く買えるかもしれない。
書名がAgatesで、発行はNatural History Museum Publications


瑪瑙の本で、珍しいところでは、1982年に出たロシアの瑪瑙を紹介した以下の本だ。ソ連時代の本なので、周辺諸国の瑪瑙も載っている。ロシア語と英語の併記になっている。
瑪瑙が好きな方には、Avebooksなどで見かけたら是非購入することをお勧めする。ロシアの瑪瑙のバリエーションと、ロシアの瑪瑙工芸の歴史の深さがわかるとてもいい本だ。
英語書名はAgate、発行はUral Gems