ユタ・アリゾナ壁画紀行 6日目

この日は壁画よりもモアブの近くのアーチーズ国立公園で奇岩を見る予定だった。自分の『奇岩の世界』に掲載した岩も複数ある。

アーチーズ国立公園は中に入る車の時間帯ごとの台数制限をしていて、私は国立公園の入場パスは購入していたのだが、時間ごとの予約券というのを買っていなかった。あらためて午後3時頃に入る券を買い、それまでの時間は西へ行って、キャニオンランズ国立公園、デッドホース・ポイント州立公園を周遊。グランド・キャニオンに比べるとおそらく規模も谷の深さも及ばないのだろうが、いずれもなかなかダイナミックな景観だった。


アーチーズ国立公園に入るとまた急に曇ってきて雨が降ってきた。岩に夕日があたる時間がいいかなと思って遅めの時間帯を選んだのだが、ついてない。

「デヴィルズ・ガーデン」に入り、ランドスケープ・アーチと呼ばれる北米最長の岩のアーチを見る。これは本当に細いアーチでいつ崩れてもおかしくない。さらにデリケート・アーチと呼ばれる、崖っぷちに立つモニュメンタルなかんじのアーチを見るために少し歩く。この歩道沿いに壁画もある。幸いデリケート・アーチに着くころには雨も止んでいい感じの陽の光が岩を照らしていた。

 


アーチーズ国立公園は有数の観光地で、キャンプ場などは数ヶ月先まで予約で埋まっているのだが、車の入場制限をしていることもあるからか、最も有名なデリケートアーチでも、人でいっぱいになるような感じではなかった。

 

バランス岩なども見つつ、アーチーズから出て、モアブの町にある有名な石屋に寄る。セプタリアがあるのはいかにもユタらしいが、値段はそんなに安いわけではなかった。高品質な瑪瑙化した恐竜の骨、ジェム・ボーンがあったら買ってもいいかなと思って来たのだが、良いものはなかった。コレクター向けのものは店頭には出ないのだろう。結局何も買わずに店を出る。

宿に戻ると屋外の椅子がぐっしょり塗れている。座面が布なので座れない。これをみるとやはり雨が降るというのは稀なのではないか。また、モアブは標高が高いのか、明け方寒く、置いてあった電気毛布を使った。今回、暑さよりも明け方の冷えの方が辛い場所が多く、家を出る前、念のために入れたヒートテックのズボン下も役にたった。